今から追いつく「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」

ハイキュー

劇場公開3日間で22.3億円と、オープニング興行成績としては歴代5位に入る超ロケットスタートしたという「劇場版 ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦」。公開13日目(2/28)時点で約45.5億円を突破しています。

こういった盛り上がりや、現役日本代表選手が劇場に見に行ったなどの話題を目にし、気になっている方もいると思います。そんなハイキュー未見のアナタが、これから劇場版をより楽しむために事前に知っておいた方がいいこと、事前に見ておくべき作品を紹介します。

ハイキューってどんな作品?

ハイキューはアニメファンだけでなく、現役のプレーヤーにもたくさんの影響を与えている作品で、世界中にもファンがいる、ある意味バレーボールプレーヤーのバイブル的な作品であると思っています。これを見てバレーボールを始めた人も多く、現在の龍神NIPPONの快進撃に繋がる部分もあるのではないでしょうか。

実在するバレーボールの戦術(フェイクセット・リベロのジャンプトス・リードブロック・ゲスブロック・トータルディフェンス・1stテンポ・マイナステンポなど)がたくさん登場しますし、この作品を見るだけでリアルバレーボールをより深く楽しめる作品になっていると思うので、リアルバレーボール好きの方にもぜひ見ていただきたい作品です。

ただ劇場版のハイキューは、上映時間の短さから前提となる人間関係やエピソードは結構ばっさりカットしているので、いきなり劇場版から入ると、下手をすれば主人公が誰かすらもわからないといったことになりかねない作品になっています。スラムダンクの劇場版「THE FIRST SLAM DUNK」はスラムダンク初見の(何ならバスケのルールもよく分かっていない)自分でも結構楽しめたのですが、劇場版ハイキューは事前にある程度流れを把握しておいた方が楽しめると思います。

そこでそんなハイキュー未見の方に、時間がなくても最低限これは見ておいた方がいいハイキューのアニメ版をざっくりまとめてみました。

(注)劇場版の本筋には触れませんが、劇場版を見る上で知っておいてほしいベースとなる設定や、劇場版に至るまでのストーリーはネタバレしています。そもそも今回の映画はテレビアニメ版の続きのストーリーなので、映画版を見た時点でそれまでのストーリーのネタバレになっています。

テレビアニメ版ハイキュー

テレビアニメ版は

  • シーズン1(全25話)
  • シーズン2(全25話)
  • シーズン3(全10話)
  • シーズン4(全25話)

の4期・全85話となっており、その大まかなストーリーを紹介します。

シーズン1「ハイキュー!!」

舞台は宮城県。オレンジ髪の主人公・日向翔陽(ひなたしょうよう)が少年時代にバレーボールと出会い、中学3年生で初めて出場した公式戦で準主人公の天才セッター・影山飛雄(かげやまとびお)と対戦するところから物語は始まり、同じ高校に進学、宮城県のライバルである青葉城西(あおばじょうさい)高校や、劇場版で対戦する音駒(ねこま)高校との出会いがシーズン1の中心になっています。音駒との練習試合を経て、インターハイ予選でそのライバル・青葉城西高校と対戦するところまでが描かれます。

シーズン2「ハイキュー!! セカンドシーズン」

シーズン1では東京の音駒高校が宮城県に来て練習試合を行いましたが、シーズン2は烏野高校が東京に赴いて合宿に参加し、音駒高校や梟谷(ふくろうだに)高校など関東の強豪校と練習試合を行うところからスタートします。進化させた変人速攻を引っ提げ挑む春高バレー宮城県大会。準決勝・青葉城西高校と対戦するところまでが描かれます。

音駒高校にはシーズン1の練習試合時にいなかったリエーフという1年生が新登場。彼は後述するOAD作品の「リエーフ見参」で詳細が描かれています。

シーズン3「ハイキュー!! 烏野高校 VS 白鳥沢学園高校」

春高バレー宮城県大会決勝・白鳥沢学園高校戦。U18日本代表にも選ばれている全国屈指のサウスポーエース・牛島若利(うしじまわかとし)を中心とした高さをパワーのチーム。その白鳥沢にシンクロ攻撃をマスターした烏野、このコンセプトの違う2チームの決勝戦が描かれる1クールだけのシーズンです。

なんとセリンジャー監督の名前が本編に登場します!

シーズン4「ハイキュー!! TO THE TOP」

強化合宿、伊達工業高校との練習試合を経て、春高バレー全国大会1回戦の椿原高校戦、2回戦の稲荷崎高校戦までが描かれます。烏野高校の勝ち上がりがメインですが、音駒高校の全国大会での勝ち上がりも描かれています。

この続きの3回戦が劇場版のゴミ捨て場の決戦です。

ざっくりとした流れ

以上の4シーズンがテレビアニメとして放送されました。ものすごくざっくりまとめると、

  • 主人公の日向が高校入学
  • 青葉城西・音駒高校との練習試合
  • 東京合宿
  • インターハイ宮城県予選
  • 春高バレー宮城県予選
  • 強化合宿
  • 春高バレー全国大会

の約10ヶ月の物語です。

これを今から全部見返すのはなかなかしんどいと思いますが、ありがたいことにシーズン3までは総集編が存在します。ただばっさりカットしているエピソードもあるので、やはり時間があれば全部見返していただきたいところですが…

アニメ版の総集編4作

テレビアニメ版シーズン1~3は4つの総集編にまとめられています。ここからはその総集編と劇場版のつながりを見ていきましょう。

①「終わりと始まり」(1時間28分)

📷U-NEXT

シーズン1前半の総集編です。

烏野と音駒の各選手の紹介にもなっているので、劇場版「ゴミ捨て場の決戦」を観る上で欠かせない作品です。特に後半は劇場版に絡んでくるシーンが多数あるので、逆に劇場版を見てからもう一度この「終りと始まり」を見ると、「あー、なるほどね!」ってなること間違いなしです。

②「勝者と敗者」(1時間27分)

📷U-NEXT

シーズン1後半の総集編です。

インターハイ・宮城県予選で鉄壁のブロックを誇る伊達工業高校、名セッター及川率いる青葉城西高校との2試合がメイン。

タイトルにあるように、勝者がいたらその裏で必ず敗者がいます。しかも大会では優勝チーム以外はすべて敗者。ほとんどの人が経験するその「敗者」にもスポットを当てるのがこのハイキューという作品の魅力でもあります。どの試合も最後に敗者のエピソードが盛り込まれています。

青葉城西高校は劇場版では絡んでこないので、どうしても時間がなければこれは飛ばしても差し支えありません。

③「才能とセンス」(1時間29分)

📷U-NEXT

シーズン2の総集編です。

ハイキューの主役は日向ですが、この作品ではセッターの影山と及川の2人を中心に描かれています。なんなら及川が主役と言っても過言ではないかもしれません。作中の及川のセリフに「才能」「センス」というワードが登場し、それをサブタイトルにしたのかと思います。

総集編②同様に青葉城西がメインの相手になるため時間がなければ飛ばしても構いませんが、序盤の東京合宿シーンでは劇場版で対戦する音駒高校との絡みも若干あるので、余裕があればぜひ見ていただきたいです。

ちなみに烏野のキャプテン澤村の頬に傷がありますが、これはこの総集編ではカットされた準々決勝で味方の選手と激突したときにできた傷です。

④「コンセプトの戦い」(1時間28分)

📷U-NEXT

シーズン3の総集編です。

総集編③「才能とセンス」の序盤で描かれた東京合宿のシーンはごく一部で、カットされた月島と他のチームのミドルブロッカーとの絡みが本作の回想シーンで出てきます。シーズン2の第7~8話にあたる部分ですが、これは本作での月島の活躍、さらには劇場版の月島vs黒尾にもつながるシーンなので、余裕があれば見てみて下さい。月島の下の名前は「蛍(けい)」ですが、劇場版で黒尾から「のぶかつ君」と呼ばれる理由が描かれています。

高さとパワーの「シンプルイズベスト」な白鳥沢と、1stテンポやシンクロ攻撃など新しいバレーを取り入れた烏野、そのバレースタイルの違いから本作のサブタイトルが付いたものと思われます。

全国大会に向けて烏野がどのように進化したかの集大成が見られ、月島のストーリー、一部の白鳥沢の選手は劇場版に登場するので、この作品は見ておきたいです。


最低限この4作品(約6時間)を見ていたらハイキューの大きな流れや、主人公がいる烏野高校の各選手の特徴、どのようにして強くなり、全国大会にたどり着いたかがつかめると思います。

シーズン4は残念ながら総集編がありません。作画崩壊が話題になった不本意なシーズンでもあるので、そこを修正した総集編を作って欲しかったのですが…

音駒高校が描かれるオリジナルアニメ版2作品

テレビアニメ版は烏野高校がメインになっていますが、番外編的な形で音駒高校をメインとしたオリジナルビデオアニメ(OVA・OAD)版が存在します。

①OAD「リエーフ見参」(24分)

📷U-NEXT

音駒高校に入学してからバレーボールを始めたミドルブロッカー・リエーフのストーリーです。彼は劇場版でも結構セリフがあるので、これを見ておくと彼がどういう選手かが掴めます。

ストーリーの順序的には総集編②と③の間になります。

②OVA「陸と空」(23分×2回)

📷U-NEXT

前半「陸vs空」は、音駒高校が全国大会の出場権をかけて戦う東京都代表決定戦、梟谷(ふくろうだに)学園高校との準決書の模様。ネコ=陸、フクロウ=空がタイトルの由来です。これは今回の劇場版でネコ=陸、カラス=空にもかかってくるのと、梟谷の選手は劇場版にも出てくるのでよく見ておいて下さい。

後半「ボールの”道”」は、残り1つとなった東京都代表の枠を争う戸美(のへび)学園高校との3位決定戦です。戸美のキャプテン(嫌味な奴)も劇場版ではいろんな意味で絡んでくる人物ですのでよく見ておきましょう。

こちらは総集編④の次に見ると良いでしょう。

このオリジナルアニメ版から繋がるシーンが劇場版に登場するので、この3話分は見ておくことをおすすめします。

最終的にどれを見たらいい?

テレビアニメ版全話を見返していただきたいのが本音ですが、さすがに全85話を見返す時間がない方は

総集編4作品+オリジナルアニメ2作品(7時間)
(総集編①→総集編②→OAD①→総集編③→総集編④→OVA②の順)

その時間もない方は

総集編①「終りと始まり」+OVA②後半「ボールへの”道”」(2時間弱)

は最低限見ていただきたいと思います。

あともう少し余裕のある方はテレビアニメ版シーズン2の第7~9話を総集編③と④の間に見ていただければ。ちなみに今BS-TBSで劇場版に絡むエピソードを抜粋した「音駒セレクション」を放送していますが、3/8(金)27:00~になんとこの第8話が放送されます!

ハイキューはいろんな選手の成長物語でもありますが、劇場版のキーパーソンの一人である冷めたキャラクターの月島が成長するきっかけとなったエピソードで、「ほぉ、こういう経緯があったから今の月島があるんだね」ということが理解できますし、烏野が1stテンポ・シンクロ攻撃・リベロのジャンプセットなどを習得しながらチームとして成長するきっかけにもなっています。9話の音駒との絡みは劇場版に繋がっています。

どこで見られる?

いろいろな動画配信サイトで見られますが、U-NEXTは下記バナーからアクセスすると31日間の無料トライアル期間があるので、テレビアニメ版だけでなく総集編やOVA作品もその期間中に見ることが可能です。(TVerでの無料配信は終了しました)

Amazon Prime Videoに加入されている方でしたら、テレビアニメ版・OAV版は見放題作品の中に入っています。総集編は別途料金が必要になりますのでご注意下さい。

Bitly

劇場版の入場特典が第5弾まで決定していますので、少なくともゴールデンウィークまでは公開されるでしょう。まだまだ見返す時間はありますよ~

劇場版を見る前に

「ゴミ捨て場の決戦」とはどういう意味?

今回のサブタイトルが「ゴミ捨て場の決戦」となっていますが、その由来は

烏野高校(宮城県代表)=カラス
音駒高校(東京都代表)=ネコ

ということで、カラスとネコはゴミ捨て場を荒らす代表的な動物、その2校の対戦はかつてお互いが強豪だったときに「ゴミ捨て場の決戦」と呼ばれていたからです。

しかしこの2校、「もう一回が有り得る練習試合」こそたくさん行ってきましたが、実は公式戦では一度も対戦したことがありません。そんな2校がついに春高バレー全国大会の3回戦で激突、つまり予告編でもキーワードになっている、負けたら終わりの

「もう一回が無い試合」

が実現するわけです。いやー、熱いですね~~

劇場版でメインとなる4人

  • 日向翔陽(烏野1年ミドルブロッカー)右から3番目
  • 孤爪研磨(音駒2年セッター)左から3番目
  • 黒尾鉄朗(音駒3年ミドルブロッカー)左から2番目
  • 月島蛍(烏野1年ミドルブロッカー)一番右

(ちなみに一番左はリエーフ、右から2番目は影山です)

劇場版では日向と研磨の対決がメインストーリーになっていますが、研磨がバレーボールを始めるきっかけになった黒尾との出会い、黒尾と月島の師弟対決も見どころなので、前述の総集編を見る上でこの4人は特に注目して見ておいて下さい。

ちなみにこの4選手のポジションを見ておわかりの通り、バレーではとかく注目されがちなポイントゲッターであるアウトサイドヒッター(OH)やオポジット(OP)よりも、あまり注目されにくいポジションがメインどころになっているのもこの作品の特徴の一つです。

ハイキューの声優に会える!

総集編②や③で登場する青葉城西高校の人気キャラクター・及川徹の声優を務める浪川大輔さんが、3/2(土)に行われるバレーボール・Vリーグの東京グレートベアーズのホームゲームにてゲスト出演することが決定しています。及川ボイスが聞けるかもしれませんね。

「ほーんと厄介この上ないよね」
「それは今日じゃない!」
「もう1本!」
「才能は開花させるもの!センスは磨くもの!」

東京グレートベアーズ公式サイト
東京グレートベアーズ公式サイトの「【10,000人プロジェクト】3月2日(土)ホームゲームに声優の浪川大輔さん出演決定!」ページ。

この試合は10,000人プロジェクトと称したイベントの一環にもなっております。対戦する両チームともに、ファイナルラウンドに進出できる上位6チームに残るイス2つを争う直接対決となるため、激しい試合になりそうです。ハイキューに登場するようなプレイもたくさん見られるかもしれません。もしよろしければ有明コロシアムを10000人の大観衆で埋め尽くしませんか?

東京グレートベアーズ公式サイト
東京グレートベアーズ公式サイトの「3月2日(土)3日(日)HOME戦 – 2023-24 V.LEAGUE DIVISION 1」ページ。

まとめ

実際のバレーボールの戦術がたくさん登場し、リアルバレーボールファンにも楽しんでいただける作品になってると思います。今からでも十分に追いつけますので、上述の総集編等でこれまでの烏野高校と音駒高校の歩みを振り返っていただき、この2校の直接対決である劇場版「ゴミ捨て場の決戦」を楽しんで下さい。

3月14日(木)には全国20劇場で応援上映も予定されています。

『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』応援上映開催決定! - NEWS|アニメ『ハイキュー!!』公式サイト
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おまけ

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