パリ五輪男子代表12+1名
リベロ1枠の行方が注目されましたが、以下のメンバーが選出されました。
所属チーム
背番号 | 選手 | 所属チーム |
1 | 西田有志 | 大阪ブルテオン |
2 | 小野寺太志 | サントリーサンバーズ大阪 |
3 | 深津旭弘 | 東京グレートベアーズ |
4 | 宮浦健人 | ジェイテクトSTINGS |
5 | 大塚達宣 | 大阪ブルテオン→🇮🇹ミラノ |
6 | 山内晶大 | 大阪ブルテオン |
8 | 関田誠大 | ジェイテクトSTINGS |
10 | 髙橋健太郎 | ジェイテクトSTINGS |
12 | 髙橋藍 | サントリーサンバーズ大阪 |
14 | 石川祐希 | 🇮🇹ペルージャ |
15 | 甲斐優斗 | 専修大学 |
20 | 山本智大 | 大阪ブルテオン |
11 | 富田将馬 | 大阪ブルテオン |
※大塚達宣は9月から移籍
※パナソニックパンサーズは大阪ブルテオンに改名
各ポジションの選出理由について
オンライン会見(一般には非公開)にてブラン監督が各ポジションの選出理由について公表しています。
リベロ
「とても悩ましいところだった」と振り返った。「現在世界各国が強いサーブであったり、強いスパイクを打ってくる」ことや「効果的なプレーという全体的なものを見て山本の方が抜きん出ていた」
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1249423?display=1
山本はフローターサーブでのパス、戦術改善、小川はディグの技術向上が課題だった。2人とも大きく上達した。今回のVNLでは同じような出場機会を与えた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2aae4879a9052e9eed6bb811fea400f41775a56a
山本の優れた点について「技術、戦術理解度は卓越している。ベストなポジションにいるところが成長した」と評価した。
https://www.chunichi.co.jp/article/917845
これを読むと「小川だって強打をガンガン上げてたし、山本の方が石川との間でサービスエース結構取られてた!」という声が上がりそうですが、個人的にはやはりまず石川祐希と髙橋藍ありきのチームで、この2人はレセプションもセットアップもできるので、そこの能力は大きなアドバンテージにはならないのかなと思っています。
小川の守備範囲の広さは目を見張るものがあり、富田・大塚・甲斐との組み合わせで選出となれば小川というピースはガチッとハマると思うのですが、石川・藍のチームとなるとやはり山本というピースの方がハマると思っています。
ただ本当にこの2人のうちどちらかを選出しなといけないというのは苦渋の決断だったと思いますし、なぜこの2人が同じ世界線に存在したのかとも思いますが、お互いの存在があったからこそ世界が認める「リベロズ」として成長したのでは、とも思います。
アウトサイドヒッター
甲斐には「短期間のネーションズリーグで成長できるかどうかっていうのを見ると、本人にも伝えました」とブラン監督。「子供はいらないというふうに伝え、それに応えてくれたと考えています」と評価
「富田か大塚かというのは、長い間ちょっと決めきれずにいたんですが、最終的にオフェンス面で秀でた大塚の方を選ぶことにしました」
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1249423?display=1
このポジションには石川祐希・髙橋藍という絶対的な存在がいるので、短期決戦の五輪では彼らが全試合スタメンになることは間違いないでしょう。その中で残りの2人に求める役割とは、を考えると1人はこの絶対的な選手が崩れた時の交代要員になりうる選手、もう1人は別の役割を果たせる選手がピースとしてハマります。
前者の選手が富田か大塚で非常に悩んだと思うのですが、特にブラジルラウンドでの富田の活躍で大塚も相当奮起したと思います。福岡ラウンドでの活躍が大塚選出の最後の決め手となったでしょうか。
もう1人のピースとして、ブラン監督の甲斐への期待は昨年からひしひしと伝わっていましたし、海外遠征にも常に帯同させ、フランスリーグで経験を積むことにも一役買っていたと言われています。VNLでもリリーフサーブで出てきてサービスエースを何本か決めたり、リリーフブロック要員としても、さらに後述のミドルブロッカー要員としても期待されます。
ミドルブロッカー
現時点ではこの部分について触れている記事は見かけていませんが、まぁ納得の3人ですね。短期決戦で4人目のミドルが出場する可能性は極めて少ないので、そこに貴重な1枠は使えません。それに2名のケガ人が出るという最悪の場合はミドル経験のある甲斐をそこに起用するということも可能ですので。
ラリーについては以下のように述べています。
米国戦でも良いプレーをしてくれた。ロサンゼルスには間違いなく行くと信じている
https://news.yahoo.co.jp/articles/2aae4879a9052e9eed6bb811fea400f41775a56a
セッター
1stセッターは不動の関田という存在がいるので、昨年からなかなか定まらなかった2ndセッターの行方が注目されていましたが、今年の代表合宿始動の時点で深津旭弘のみに絞り込んでいた事に驚いた人も多いでしょう。
もう深津で決まりと思っていたところでブラジルラウンドでの合わなさぶりに大丈夫?ってなりましたよね。また福岡ラウンドで関田が検査のため急遽登録から外れることになり、そこで大宅が招集されて混迷の様相も呈しましたが、フィリピンラウンドではまた深津のみの帯同だったので、最初の想定通りに収まりました。
リザーブメンバーについて
高橋健太郎には膝のけがを再発させないためにあらゆる努力をしなさいと言ってきました。それに現在のところ高橋健太郎は応えている。さらに、(OHの)甲斐は大学時代にミドルブロッカーも経験していますので、こういった(MBがケガでの離脱する)状況がおきないことを期待しているんですけど、甲斐はそういったことにも対応できる。
https://www.nikkansports.com/sports/news/202406240000653.html
ミドルブロッカーにこの枠を割かないとしている時点で、アウトサイドヒッターで落選した富田が選ばれるのは妥当でしょう。リベロは確かに替えの居ないポジションではありますが、男子でこの枠をリベロに使うチームはそうそういないと思います。もし山本に万一のことがあれば、富田がそのままリベロに、あるいは髙橋藍がリベロ、OHに大塚を入れる布陣も考えられますね。
怪我を想定していたらキリがないですが、そこは怪我のリスクの低いポジションに貴重なリソースを避けないと思います。
出場内定選手コメント
五輪はなぜ14名登録ではないのか
ここは多くの人が疑問に思っているところだとは思いますが、そもそもバレーボールのベンチ入りは12名でした。そこから1998年にリベロが正式採用され、wikiによると2009年よりベンチ入り選手人数14名・リベロ2人制導入が決定されましたが、オリンピックでは依然として12名のままです。それはなぜか。
例えばオリンピックでもベンチ入りが14名になったとしましょう。1チームにつき2名増えますね。男女計24チーム×2名=48名増えることになります。
これはバレーボールだけで、です。バレーで認めれば他の競技も増やしてくれという声は上がってくることになり、数百名単位で増えることになるでしょう。そうなれば選手村の規模も大きくなり、オリンピックを開催する上での経費がどんどんかさむことになります。ただでさえオリンピックを開催するにあたって増え続けていた費用を減らしていこうとしている中で、それに逆行することは早々認められないのではと思っています。
それを回避する方法として、今回バレーボールでは特別にリザーブ選手1名の登録が認められました。ただし
「13人目の選手は選手村には宿泊できない」
という条件付きです。「各国のオリンピック委員会から追加の支援が与えられた場合は別」ともあるので、そこはJOC次第です。
※FIVB主催でもアンダーカテゴリや国内の大会(インターハイ・国体など)でも12名登録の大会はまだまだ存在します
スポーツライターの柄谷様がさらに詳しいご説明をされています。
まとめ
まだこの結果を受け止められない方もいるとは思いますが、まだネーションズリーグのファイナルラウンドも残っています。そこには落選した選手も出場することになるので、見る側にも様々な感情が湧くでしょう。
歴史をつくる。メダル取るために常に突き進むことを、関わる全ての人、ファンに誓いたい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2aae4879a9052e9eed6bb811fea400f41775a56a
ブラン監督が選んだ選手たちを信じて、メダル獲得に向けて精一杯応援しましょう。
最後に、心配される髙橋藍・西田有志の現状についての記事を置いておきます。
パリ五輪出場健獲得の感動をふたたび!
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