FIVBは2024年3月20日に、2025年に開催される世界選手権(通称:世界バレー)の開催地をフィリピンに決定したと発表しました。
世界選手権について
世界選手権はバレーボールの国際大会の中でも最も歴史が古く権威のある大会です。これまでは五輪と五輪のちょうど中間の年(偶数年)に4年に一度開催されていましたが、今後は奇数年に移行し2年に一度開催されます。
開催国
フィリピン
2022年、2023年とフィリピンでネーションズリーグの予選ラウンドが行われ、日本チーム目当てに1万人の大観衆が詰めかけたのは記憶に新しいところ。あの熱狂ぶりが評価されたのでしょうか。
ただ後述しますが、全部で大会期間中に64試合が行われるはずで、そのうち日本戦は3~7試合のみ。バレーボール人気は高まっていますが、残りの50近い日本戦・地元フィリピン戦以外の試合にどれだけ集客できるのかですね。
ネーションズリーグでは日本戦の行われない日は夜の試合でも1500人も集まっていない日がありましたし…
開催国以外の集客という点ではどの国が開催してもつきまとう問題ですし、かつて日本で開催したときも日本の来ない会場での集客が響き結局トータル赤字でした。そのため今後はリスク軽減のために複数国での共同開催が増えるのかなと思っていた中でのフィリピン一国開催は驚きです。
実は最終候補にインドネシアと日本の共同開催案もあったのですが、残念ながら落選ということになりました。
開催期間
2025年9月12日(金)~9月28日(日)
日本ではシルバーウィークにあたるため、多くの日本人が現地に詰めかけるかもしれないですね。
参加国
これまで世界選手権は24チームで行われていましたが、この大会より32チームが参加になります。
開催国 | フィリピン |
前回優勝国 | イタリア |
アジア第1代表 | 日本 |
アジア第2代表 | イラン |
アジア第3代表 | カタール |
ヨーロッパ第1代表 | ポーランド |
ヨーロッパ第2代表 | スロベニア |
ヨーロッパ第3代表 | フランス |
北中米第1代表 | アメリカ |
北中米第代表 | カナダ |
北中米第3代表 | キューバ |
南米第1代表 | ブラジル |
南米第2代表 | アルゼンチン |
南米第3代表 | コロンビア |
アフリカ第1代表 | エジプト |
アフリカ第2代表 | アルジェリア |
アフリカ第3代表 | リビア |
世界ランク枠1位 | ドイツ |
世界ランク枠2位 | セルビア |
世界ランク枠3位 | オランダ |
世界ランク枠4位 | ウクライナ |
世界ランク枠5位 | ベルギー |
世界ランク枠6位 | トルコ |
世界ランク枠7位 | チェコ |
世界ランク枠8位 | ブルガリア |
世界ランク枠9位 | ポルトガル |
世界ランク枠10位 | フィンランド |
世界ランク枠11位 | チュニジア |
世界ランク枠12位 | 中国 |
世界ランク枠13位 | ルーマニア |
世界ランク枠14位 | チリ |
世界ランク枠15位 | 韓国 |
原則としてまず昨年の各大陸別選手権の上位3チームが出場権を獲得しています。開催国や前回優勝国がそこに入った場合は4位のチームが繰り上がります。
残り15の世界ランク枠はパリ五輪終了後の2024年8月12日時点を元に決定されています。
グループ分け抽選会
2024年3月27日の時点でグループ分け抽選会を2024年9月12日に行うことが発表されていましたが、9月14(土)21:30に変更になりました。
こちらのサイトにてその模様がLIVE配信されます。
なおグループ分けは世界ランク順により、開催国フィリピン+上位7チームが第1シードとなり、日本はここに属しています。そのため予選リーグでポーランドやフランス、アメリカといった同じ第1シード国とは対戦しません。
下図の「1st DRAW」「2nd DRAW」「3rd DRAW」の中から各1チームずつと同じ組になります。
グループ分け決定
大会方式
予選ラウンド
4チームが8グループに分かれて総当り戦を行い、上位2チームがラウンド16に進出します。
出場全32チームを世界ランク順に並び替え、上位8チームごとの4つのポットに分かれ、各ポット内から1チームずつ割り振られます。男子日本代表は世界ランク6位ですので第1シードに入ります。
決勝トーナメント
ノックアウト方式のトーナメントで
ラウンド16→準々決勝→準決勝→3位決定戦・決勝戦
を行います。予選ラウンドを2位で通過すると別のグループの1位と対戦することになると思うので、いい組み合わせになるためにも予選は1位で通過したいですね。
1チームの試合数が減る?
上述の通り、予選ラウンドで敗退するチームはたった3試合で大会を終え、ベスト4に残ったチームでも最大7試合しか行われないという、選手にとっては優しく、バレーファンにとっては物足りない大会になります。
前回の2022年男子大会は急遽開催国がロシアからポーランド・スロベニアの共同開催に変わり、日程も短縮されたため、大会方式がこんな感じに変更になりました。日本は予選を2勝1敗のグループ2位で通過したものの、ラウンド16で東京五輪チャンピオンのフランスと当たり、フルセットの激闘の末に敗れ、たった4試合で大会を終えたのは記憶に新しいところです。石川祐希が第5セット終盤でのサーブミスを悔やんだ試合でした。
世界選手権って開催国によって(自国が有利になるように)大会方式がコロコロ変わってましたが、それでも1次ラウンドで敗退しない限りは8~10試合くらい行われてた気がするんですけど、やっぱりもっと見たいですよね。
パリオリンピックも試合数削減のためフォーマットが変更され、日本は準々決勝で敗退したため4試合しか見られませんでした(東京五輪で日本は6試合)。
テレビ放送・配信について
世界バレーは1990年大会以降TBSで放送されていますが、Xのフォロワーさん情報によると、このフィリピン大会の期間はTBSが全力で放送している世界陸上、しかも東京での開催と思いっきりバッティングしています。
世界バレーの日本戦は集客面を考えるとおそらくフィリピンの夜(日本との時差は1時間)に行われそうな気がしていますので、うまく世界陸上の放送とずらせないですかね。
あとバレーボールの中継といえばフジテレビを思い浮かべる人も多いでしょうが、そのフジテレビが放送するワールドカップバレーは昨年の2023年大会をもって終了が決定(事実上2019年大会が最後)しています。2028年のロス五輪は五輪予選大会(OQT)を行わないこともすでに決定していますので、フジテレビがゴールデンタイムで放送する大会がなくなることになります。
そのため2年に一度の開催となるこの世界バレーが
・五輪翌年の世界バレーはフジテレビ
・五輪前年の世界バレーはTBS
といったように分かれるのであれば、世界陸上とのもろ被り問題は解消されますが、果たしてどうなるでしょうか。
2022年男子大会のときは急遽開催国が変更、元々予定されていた日本戦の時間が変わったことでゴールデンタイム中継がなくなり、まさかの有料配信のみという散々な扱いでした。
私の記憶の限りでは、TBSが中継を担当し始めた1990年以降の男子大会を地上波で生中継したことは一度もなかったように思います。1998年・2006年の日本開催時も録画中継だったような…
今度こそ世界バレー男子大会のゴールデンタイム生中継を実現して欲しいです。
なお配信についてはVBTVが今回も全試合のLIVE配信(英語実況)を行うものと思われます。
詳細なフォーマット
こちらから大会に関する詳細が書かれたPDF(英語)がダウンロードできます。
https://images.volleyballworld.com/image/private/fl_attachment/fivb-prd/dl5oomcj63pyq8b0knb3.pdfまとめ
世界選手権は女子大会こそ21世紀に入ってからも2006年・2010年(銅メダル獲得!)・2018年と定期的に日本で開催されていますが、男子大会は2006年を最後に日本で行われていません。
2027年の男子大会はポーランド開催がすでに決定していますので、もし日本大会が実現するとしても最短で2029年と5年後になりますね。
ちなみに2027年の女子大会は日本が招致活動を積極的に行っているようです。
以上世界選手権情報でした。
おまけ
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