世界バレー2022男子・ベスト16の組み合わせについて

世界選手権男子

今大会は、今年に入って急遽開催国がロシア→ポーランド・スロベニア共催に変わったことで期間が短くなり、大会の方式も

1次ラウンド→2次ラウンド→3次ラウンド→準決勝→決勝

という長丁場ではなく、

1次ラウンド→ベスト16→準々決勝→準決勝→決勝

という最長でも7試合(最短3試合)の短期決戦に変わりました。ベスト16の組み合わせは基本1次ラウンドの順位に基づいて行われますが、実に変則的です。

女子大会は最大12試合です。また大会が近づけばまとめます。

16チームの内訳

各プール上位2チームの計12チーム

各プール3位のチームの中から成績上位の計4チーム

となっています。この16チームを成績順に並べるのですが、大会4日目を終えた現在の順位はこうなっています。

画像:FIVB

これを見て「おやっ?!」と思った方がいるかもしれません。アメリカの順位に注目です。アメリカは現在2勝0敗で勝点6にもかかわらず、同じ2勝で勝ち点5のブラジルやオランダ・フランスよりも下なのです。

1次ラウンドの順位決定方法

なぜこのようになるかというと、ランキングを作成するにあたり以下の優先順位が設けられています。

プール内順位>勝ち数>勝ち点>セット率>得点率

このランキング表にはプール内の順位が表示されていないので、それでアメリカの順位が低い理由がパッと見わからないんですよね。アメリカはPool Cで現在2位のため全体の7位になっています。

ベスト16の組み合わせ決定方法

順位の決め方がわかったところで、いよいよベスト16の組み合わせをどのように決めるかという本題です。FIVBの公式サイトには下図が掲載されています。

画像:FIVB

1位vs16位、2位vs15位、3位vs14位、4位vs13位…

というように予選の成績がいいチームから下位のチームと対戦するわけですが、ここに開催国特権が絡んできます。予選の順位に関係なく、なんと!

開催国のポーランドとスロベニアはシードで1位と2位に振り分けられる

ことになっています。1次ラウンドでの成績の良かった方が1位、もう一方が2位となります。ということで、仮に上のランキングが予選の最終順位だとした場合、ポーランドはそのまま1位通過ですが、開催国のスロベニアは9位通過ではなく2位通過となるのです。そして残りのイタリア以下のチームは1つずつ順位が繰り下がります。

ポーランドの連盟がそのシードとプール内の順位を反映したランキングをツイートしてくれています。

一番左の数字(1~4)は各プール内の順位

この順位の結果

ポーランドvs16位スロベニアvs15位、3位(実際2位通過)vs14位、4位(実際3位通過)vs13位…

という形でベスト16の組み合わせが決まります。そこから勝ち上がってのベスト8以降の対戦相手も予測しにくく、予選での順位操作による八百長疑惑を生む可能性は低くなりますが…

ベスト16は9/3(土)~9/6(火)の4日間で行われる予定です。
深夜24:30~・25:00~・28:00~のどれかですが、28:00は避けて欲しい💦

こんな変則的になるのはなぜ?

ガチの世界一決定戦にも関わらずこのような優遇措置はいかがなものかという不満は各国から出ているようですが、振り返れば日本やその他で開催された国際大会でも、このように開催国ができる限り大会最終日まで残れるように様々な手法が取られてきました。

先日のネーションズリーグも男子はイタリアが、女子はトルコがファイナルラウンドの開催国ということで1位通過扱いとなっていましたし、もし8位以下だったとしても8位で予選通過が保証されていました。

大会最終日まで開催国が残らなければチケット収入が激減、視聴率も稼げない(となるとスポンサー収入にも関わる)、というのが大きな理由でしょう。今大会でもスロベニア会場は、自国が出場する試合は1万人を超す大観衆で埋め尽くされていますが、そうでない試合ではわずか100人程度と、100分の1しか観客が入っていない試合もあります。他国同士の試合でも観客が入る、というのは今後大きな要素になるかもしれませんね。来年のネーションズリーグもフィリピン大会が早々に発表されましたが、自国の出ない日本戦に大観衆が詰めかけたのは記憶に新しいところです。

大幅な赤字が見込まれるとなると開催国を名乗り出る国がなかなか出ないことにもなりますし、過去に日本開催が多かった(特に女子)のはこのように単独開催を名乗り出る国が少なく、日本だとビジネス面でのメリットが大きくあったからですが、これも2018年の女子大会がJVAの大幅赤字に終わったことで今後の日本開催が危ぶまれています。

男子も日本で開催して欲しいですが、ベスト8に残れるかどうかという実力ではなかなか踏み切れないですよね。日本も日本戦以外の会場は結構ガラガラなので…ただ今後日本開催の大会がほとんどなくなった時に開催されれば、先日のネーションズリーグの日本戦以外の試合でもそれなりに観客が入ったように、貴重な生観戦の機会ということで全国から人が集まる可能性はありますね。これまでは毎年のように日本開催の大会があったので、我々の生観戦に対する意識も麻痺していたかもしれません。昔あった下位決定戦も行えば男子の日本開催もあり得るでしょうか。2018世界バレーの女子大会は5位決定戦(日本vsアメリカ)やりましたしね。

自国以外の試合での集客が見込めない国が多い現状、前回の男子がイタリア・ブルガリアの、今年の女子大会がオランダ・ポーランドの共同開催であるように、今後も複数国による共同開催が増えるかもしれません。

おわりに

日本は現状14位と、ベスト16ギリギリのラインです。今夜のキューバ戦にセットカウント関係なく勝ちさえすればベスト16確定ですが、負けてしまうとセット率が重要になるので、ブラジル戦にストレートで負けている日本は現状不利となっています。万一負けるにしてもフルセット(勝ち点1獲得)にもつれ込まないと、厳しいかもしれません。勝利を信じましょう!

以上、世界バレー2022男子大会のベスト16の組み合わせ決定方法でした。

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