S-V.LEAGUE(SVリーグ)とは?
現在バレーボールの国内リーグはV.LEAGUEですが、意外と知らない人も多いのが実は完全プロリーグではないということ。チームと個別にプロ契約している選手が増えてきてはいますが、リーグそのものはサッカーのJリーグやバスケのBリーグのようなプロリーグではありません。
過去に何度かプロ化をしようとしていますが、なかなかうまくいかず挫折しています。
しかし来年のパリ五輪後に行われる2024/25シーズンから「V.LEAGUE REBORN」と称して、V.LEAGUEは新しく生まれ変わろうとしています。今のV1~V3を解体し
- S-V.LEAGUE(新プロリーグ)
- 新V.LEAGUE(従来のVリーグ)
の2つに分かれます。
S-V.LEAGUE(S-Vリーグ)とは
ざっくり言うとJリーグやBリーグのようなプロ化を目指したリーグで、7年後の2030年に世界最高峰リーグになるビジョンを掲げています。
- 最大16チームが所属し10月中旬から5月上旬まで開催
- ホームアリーナは5,000人収容(2029/30シーズンまでは3,000人)
- 売上高6億円以上(2026/27シーズンまでは4億円以上)
- U15・U18のアンダーカテゴリーチームを保有
- 同時にコートに立てる外国籍選手枠2人、アジア枠1人
(2027/28シーズンからは外国籍選手枠3人、アジア枠1人)
などの条件があります。ただ現時点ではJリーグやBリーグとは違い、全選手の完全プロ化は断念、現Vリーグと同様にプロ選手と企業所属のいわゆる社員選手が混在するリーグとなるようです。チームに課せられる高い理想・ビジョンは大きく変わりますが、現行のVリーグからどのように変わったのかは詳しくないとわかりにくいかもしれません。その点ではラグビーのリーグワンと同じ感じでしょうか。
外国人枠の変更がパッと見でわかりやすい変更ですが、最終的には外国籍選手が4人同時(アジア提携国枠を入れると5人?)にコートに立てることになるので、コート上に日本人選手の方が少ないチームが出てくることもありえます。過去に外国人枠を2に増やしたものの、日本人選手の強化に繋がらないと1枠に戻し、さらに0にしてその直後のシドニー五輪には男女揃って出場権を逃す事態を経験しているので、そういった二転三転にならないようにしていただきたいところです。
ライセンス要件がなかなか厳しいので、SVリーグへ希望するチームがどのくらい出てくるか注目していましたが、2023年12月20日(水)の理事会後のオンライン会見で発表されました。
以下の男子14チーム・女子15チームです。
男子14クラブ
[V1]
・ウルフドッグス名古屋
・サントリーサンバーズ
・パナソニックパンサーズ
・日本製鉄堺ブレイザーズ
・東レアローズ
・ジェイテクトSTINGS
・JTサンダーズ広島
・東京グレートベアーズ
・VC長野トライデンツ
・ヴォレアス北海道
[V2]
・大分三好ヴァイセアドラー
・北海道イエロースターズ
・クボタスピアーズ
[V3]
・奈良ドリーマーズ
女子15クラブ
[V1]
NECレッドロケッツ
東レアローズ
久光スプリングス
埼玉上尾メディックス
JTマーヴェラス
デンソーエアリービーズ
日立Astemoリヴァーレ
トヨタ車体クインシーズ
PFUブルーキャッツ
KUROBEアクアフェアリーズ
岡山シーガルズ
プレステージ・インターナショナルアランマーレ
[V2]
ヴィクトリーナ姫路
群馬グリーンウイングス
ブレス浜松
男子よりも女子の方が多いという予想外の結果でしたが、現在のV1全チームが申請しています。
これはあくまで申請なので、2024年3~4月の理事会を経て正式にSVライセンスが交付されるチームが決まります。チームがいくらプロリーグに行きたいと望んでも、ライセンス要件を満たせるかというビジョンが明確でないと申請は通らないでしょう。その場合は下位リーグにあたるV.LEAGUEでプレイすることになるのでしょうか。
またS-V.LEAGUEの下位リーグにあたる新V.LEAGUEのライセンス申請も同時に行われていましたが、そちらに申請したチームがどこかは公表されていません。
ちなみに新リーグの開催期間が5月上旬までとなっているので、ゴールデンウィークの風物詩である黒鷲旗には参加しないの?と思われた方もいると思いますが、来年の大会をもって終了するという話も出ているようです。
12/20に発表された新クラブライセンス申請状況やライセンス要件、外国籍選手の取り扱い/試合出場ルールなどの詳細は下記PDFにまとめられています。
SVリーグや新Vリーグの構想から漏れたチームは…
2024年1月5日に、警視庁フォートファイターズの新リーグへの参入を断念したという残念なニュースが出ました。
新リーグは利益を求めるわけですので、こうした公的なチームは難しいですよね。
また1月26日にはⅤ2・V3男子のトヨタ系2チームがV撤退も視野に検討しているニュースが出ています。
こういったチームの受け皿として、SVリーグ・新Vリーグとも違う第3のリーグともいうべき「新・日本バレーボールリーグ」=「NVL」(仮称)の設立も検討しているとのことです。
こちらはSVリーグや新Vリーグに課せられるライセンス要件に縛られることのない独立リーグです。
※あくまでも検討中
まとめ
以上SVリーグについてまとめてみました。
次に大きな動きがあるとすれば、3~4月に行われる理事会でSVリーグのライセンスを与えるチームを発表するときでしょうか。また新しい情報が出たら発信します。
おまけ
パリ五輪出場権獲得の歓喜を再び!!
ワールドカップバレー2023 男子日本代表 ROAD TO PARIS
Blu-ray/DVD 2024年3月29日(金)発売↓