2012年に起きたバレーボール女子・日本vsタイ戦での八百長疑惑とは?!-前編-

五輪予選女子

タイは2026年8月30日、アジア選手権決勝で中国を3-2で下し初の五輪切符を獲得しました。

タイはこれまで幾度となく五輪出場寸前まで迫りつつも、最後の最後で出場できなかった…ということを繰り返していました。だからこそ今回の五輪初出場は悲願だったわけですが、タイの五輪出場への道のりとなると

・2012年ロンドン五輪世界最終予選での八百長疑惑問題
・2016年リオ五輪世界最終予選でのレッドカード問題

を思い出す方も多かったことでしょう。後者はかなり有名で、あの時の雪辱!とばかりにSNSに当時の動画が上がってたりしたので、今回は前者を取り上げたいと思います。


2012年ロンドン五輪世界最終予選で何が起きたのか

舞台は2012年5月、東京体育館で行われた女子の「ロンドン五輪世界最終予選兼アジア予選」。

8チームによる総当たりで、

  • ロシア
  • 韓国
  • セルビア
  • 日本
  • タイ
  • キューバ
  • ペルー
  • チャイニーズ・タイペイ

が参加。五輪出場枠は4つでした。ただし単純に上位4チームではなく、

①上位3チーム
②上位3チームを除くアジア最上位1チーム

という特殊な方式でした。この決め方は後々にも響いてくる大事なお話なので、しっかり覚えておいて下さいね。

ちなみに本来であればアジア予選だけ先に行ったうえで、そこで逃したチームが世界最終予選に回るべきなのですが、いろいろテレビ局との兼ね合いや思惑があり、アジア予選と世界最終予選をくっつけて開催するという策を編み出しました。その方が日本が出場するチャンスも増えますので笑

その結果こういう変則な形で五輪出場権を付与するという仕組みになったのです。

最終戦前の状況を振り返ろう

大会6日目を終えた段階で、

チーム勝敗勝点
ロシア6勝0敗18
韓国5勝1敗14
セルビア4勝2敗12
日本4勝2敗11
タイ3勝3敗9

という状況でした。この時点でロシアと韓国は2位以内がすでに確定し五輪出場権をGET、残る切符は2枚です。

迎えた最終日の7日目、まずタイはキューバと対戦。タイは3-1で勝利4勝3敗・勝点12まで伸ばします。この時点での順位はこちら。

チーム勝敗勝点
🏆️ロシア7勝0敗21
🏆️韓国5勝2敗15
タイ4勝3敗12
セルビア4勝2敗12
日本4勝2敗11

ここで可能性を残しているのは日本・セルビア・タイの3チーム。しかも残す最終戦が

日本vsセルビア

の直接対決だったわけです。タイはこの試合の結果待ちという状況になりました。


五輪出場権を与える条件が生み出す複雑な状況

まずは日本vsセルビアで6つのケースが考えられ、それぞれのパターンで五輪出場権を得られるチームを赤文字にしてみます。

CASE1️⃣:日本が3-0勝利

3位日本・4位タイ・5位セルビア

CASE2️⃣:日本が3-1勝利

3位日本・4位セルビア・5位タイ

CASE3️⃣:日本が3-2で勝利

3位日本・4位セルビア・5位タイ

CASE4️⃣:日本が2-3で敗戦

3位セルビア・4位日本・5位タイ

CASE5️⃣:日本が1-3で敗戦

3位セルビア・4位タイ・5位日本

CASE6️⃣:日本が0-3で敗戦

3位セルビア・4位タイ・5位日本

これを見ておやっ?!て思った方いませんか?CASE2️⃣と3️⃣でタイが5位にも関わらず出場権をGETできてますよね。それはなぜか。

序盤で申し上げた五輪出場権の獲得システムを思い出して下さい。

優先順位①→上位3チーム
優先順位②→上位3チームを除くアジア最上位1チーム

となっています。この優先順位がとてつもなく状況を複雑にしています。

CASE2️⃣と3️⃣では日本が①の条件を満たしたため、5位のタイは②のアジア枠を獲得できるんですよね。これによりタイは6分の5の確率で五輪の出場権を獲得できるという状況、つまりCASE4️⃣=「日本が2-3で負ける」というケースにさえならなければ五輪に出られるという、極めて有利な立場にあったのです。

こう書くとだんだん結末が見えてきましたか!?笑

ちなみに

日本は2セット取れば五輪出場権獲得

という状況でしたので、日本とタイがともに五輪に出られる条件はセットカウントにかかわらず日本が勝てばいい!のでした。


そして実際の試合は…

第1セット

まず日本が第1セットを25-18で取り、五輪出場まであと1セットとなりました。この時点でCASE6️⃣は消えます。

第2セット

25-21でセルビアが取り返しセットカウント1-1。この時点でCASE1️⃣も消えます。

第3セット

25-19で日本が奪いセットカウント2-1。そう、この時点で

日本のロンドン五輪出場が確定🎉🎉🎉

場内でもそのことがアナウンスされ、観客から大歓声が上がりました。ちなみにこの試合をTAWAGOTOは現地で観戦しており、歓喜の雄叫びを上げてました笑(どうでもいい話)

閑話休題、タイにとってはCASE2️⃣3️⃣4️⃣のいずれかになり、まだ3分の2の確率で五輪に出られます。

第4セット

まぁぶっちゃけ日本は出場権を獲得したので、この試合は勝とうが負けようがもうどっちでも良いよね~っていう状況になります。

しかしセルビアとタイにとっては、日本が勝つか負けるかにより五輪に出られるか出られないかが決まるわけで、特に試合をしているセルビアは当然ここから必死に勝ちに来ますが、日本が19-16とリードし、セルビアは追い込まれます。

ところが!!

ここから日本は突如6連続失点し、日本が2点を取る間にセルビアは9点取って、21-25でセルビアがセットを奪い返します。セットカウントは2-2。

つまりケース4️⃣か5️⃣という状況になり、6分の5の確率で五輪に行けるはずだったタイの確率はついに2分の1にまで下がってしまいます。

4️⃣はあかん!マジで日本勝ってくれ~の状況になるタイ。

運命の第5セット

タイは日本をものすごく応援していたことでしょう📣

しかしながら結果は15-9でセルビアが奪い、セットカウント2-3で日本が敗れるという、タイにとっては一番起こって欲しくなかった

CASE4️⃣:日本が2-3で敗戦
3位セルビア・4位日本・5位タイ

というパターンになってしまいました… タイ悲願の五輪初出場はならず…

ただし、これだけだと特に八百長疑惑でもなんでもないんです。

だって日本は2セット取った時点で五輪出場が決まり、そこで気が緩んだから残り2セットを落として負けた、というのは自然な流れでもあるのです。

にもかかわらずなぜ八百長疑惑が起こったのか?!

後編へ続く…笑

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